まさか・・・・
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私たちは、日々色んな事、例えば交通事故とか、地震とか病気とかを心配しながら、
「自分には起こらない」と心のどこかで思っていて、だからこそ暮らしていけている。
息子の病気は先天性のものだったけど、生まれてから徐々に進行する種類の病気だった
ので、発見は3歳の時だった。五体満足に生まれたと思っていた子供が、
ある日、床をのたうちまわってくるしみ、病院で聞いた事もない病名を告げられた。
「足元が崩れ落ちる」という表現を体感した瞬間だった。
私は悲劇のヒロインになり、悪夢から覚めるよう願った。
ところが、もっと大変な状況に身を置きつづけている人達に
出会う事になり、「悲劇のヒロイン」は出鼻をくじかれた。
手術の為に入院した京都大学医学部付属病院の移植外科では、
周りのほとんどは、生まれた時から命に関わる病気である事が
わかっていて、辛い道のりを歩んで来たお母さんと子供達だったから、
見るからに頼りなかった私は、「心のコツ」をいろいろ教えてもらった。
まず、「よりによって、なんでうちの子が?」という思いには、
「すべての子供が健康で生まれてくる訳ではない。」という事を
認識するようアドバイスされた。
あたりまえの事実だけど、これがなかなか難しかった。
今でも、正直、息子の事や子供達の病気が受け入れられてない。
息子の病気は1回の手術で治療でき、「再手術はまれです。」と
言われていたにもかかわらず、3回も手術する事になった。
あるお医者さんに「なぜうちの子は手術したのに、苦しみ続けるのか・・・」と
言ったら、「宝くじはまれに当たる。まず当たらない。でも誰かに当たるのは
確かです。」というような事を言われた事がありました。
「宝くじのまれ」は歓迎して、「病気のまれ」は受け入れられない。
そういう事です。
宝くじは買い続けてるけど、当たりませんね~。
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by morinifuruame
| 2006-04-19 09:20
| 小児病棟